自分にとっての理想を、自由に設計したい。
大豆生田 亘
今日は現場に直行でした。九時すぎに千葉県の都賀というところに。
1年くらい前からはじまった1000坪ほどの大きなひとつの敷地を住宅地にするプロジェクトです。全部で14の住宅をつくっています。でも、ひとつひとつの住宅の設計をしているわけではありません。今回のぼくらの役割としては、ランドスケープや植栽と、そして近所も含めた一体的に一緒に暮らすような集合住宅地を計画することが主な依頼内容でした。
常日頃思っていたことに、街並みというか家並みがそれぞれの単独の敷地で完結するのではなく、それぞれの住宅のバランスを少しずつ調整できたら、みんなにとって素敵な住環境がつくれるのではないかと。家の庭先にたくさんの緑や道路すらも自分の家の延長として楽しめるスペースとしてつくるように。いい暮らしとは自分だけの住まいだけではなく、少し先まで含んだ環境の心地よさも大切ですよね。むしろ今の時代は、そちらの方が重視される世の中かもしれません。
いわゆる設計監理というより企画から考えて住宅地をつくる仕事のため、マスタープランの基本設計とデザインの指針を担当し、あとはコラボレーションしている会社にお任せしています。図面や模型上では、たくさんのキャッチボールを交わしましたが、数値で共有できないところって実はとても大切なポイントなのです。
たとえば今日は『住宅の塀は外から見えにくい高さ』について。敷地内に高低差があるので、一概に決めきれないところでした。低すぎたら外からのプライバシーが保てなくなるし、高すぎたら室内からの窮屈感が強すぎてしまう。見えそうで見えない僅かな感覚値にも近い部分を、ひとつひとつ確認しながら実際に現場にてみんなで打合せをしていました。
もともと建築を志したのは、そこまで深く考えてのことではありませんでした。付属の大学をでて、文系か理系かどちらか選ぶならなんとなく理系で、なんとなく消去法で建築学科に決めました。
思い返してみると、父親が建築家になりたかったらしく、小さいころから渡辺篤史の建物探訪とかは家でよく見ていました。両親とも美術学校の出身で、姉もいるんですけど、小さい頃から自分だけ全くセンスもなく縁のない世界だと思っていました。たまたま大学の最初の課題でたまたま熱中して没頭して、気がついたらこちらの道へと進んでいました。これまでは一度も本を読み切らなかったのに、数多くの建築家の作品集や本を読み漁り、東京建築マップに載っている建物も実際に見て回ったりしました。大学院時代には、ミラノサローネに行く機会にもあり、まわりのいろいろな方に恵まれた学生生活だったように思えます。
そうしたこともあり、大学を卒業してからは迷わずアトリエ事務所へ。そこでは先生の作品をカタチにするのが主な仕事でした。考えるよりもひたすら描くことで精いっぱいで、早く自分でつくりたいと思っていました。その後、もっと自分にとっての自由に設計できたらいいなと思っていたときに、たまたま都市デザインシステムという会社を紹介していただきました。
はじめにびっくりしたのが、すぐに作業ではなく考える仕事を任せてもらいました。上長もいますが、自分が好きなデザインもある程度自由だったと記憶しています。考える自由を与えられたこと、それが一番大きかったですね。でも、さらに欲がでてきました。けど自由といっても、どんな建物を設計するかは決まっていて。たとえば、今の時代だとこの立地でSOHOじゃないほうがいいんじゃないかとか。単に自分の好き嫌いではなく、マーケットニーズやクライアントの志向性を汲んでのことではありますが、結局つくりたいものとはカタチを設計することではなく、ある一定の社会やニーズを持ってのことで、そうした切り口の方が自分には合っていた、ということになると思います…。だからそのあとは企画から携わらせてもらえるように、企画部へと異動をお願いしました。そうした経験が、今のコプラスでもとても生きているように思えます。
アトリエ事務所で働いていたときは、事務所のスタイルを好んでお客さんが依頼にくる。でもコプラスってそうでないことが多いかもしれません。建物やデザインの限定的なスタイルを持っていないことが特長かもしれません。コプラスの場合は、土地や建物はあるんだけれど、これをどう活かしたらいいか、という相談など、どちらかというと普通の建物の設計というより、立地や状況に応じて最適解を導くことが多いように思えます。場所がよければ普通にマンションをつくってもいいですけど、そうでない土地はどうしたらいい?社会状況と合わせて普通にはない価値を埋め込むように…。 相手が想像もしていなかったものをカタチに変える。それは、ぼくらにだってはじめから最後まで見えていないこともたくさんあります。奇をてらうわけではなく容積率と戦い、堅実にプランニングをしていることがほとんどで、ときに大袈裟に極端に振り切って考えたり、イメージしてスケッチしたり。
ぼくらにとって最も大切なことは、〝普通〟だと思っています。普通の基準をどこに置くか、普通が普通である理由がそこにはあって、それが世の中のスタンダードになっている。けど、それって本当にいいかどうか、変えられる部分があるんじゃないかと日々アンテナを張っています。だから、日常の小さな気づきを忘れずに、場面場面で引き出してあげれば『そうそうそうっ!』って共感できる。そういうときってうれしいですよね。ぼくらは普通のその先を、設計しています…。
現在募集はしておりません。
まずは下記よりご応募・お問合せください
↓
書類選考
↓
一次面接
適性試験
↓
二次面接(設計は実務試験あり)
↓
最終面接
↓
採用(試用期間3ヶ月あり)
・次の選考ステップに進まれる方のみご連絡させていただきます。
・取得した個人情報は、採用選考にのみ使用します。
・選考プロセスは変更になる可能性があります。
・不採用理由についての問い合わせにはお答えできませんのでご了承ください。
現在募集はしておりません。
まずは下記よりご応募・お問合せください
↓
書類選考
↓
一次面接
適性試験
↓
二次面接(設計は実務試験あり)
↓
最終面接
↓
採用(試用期間3ヶ月あり)
・次の選考ステップに進まれる方のみご連絡させていただきます。
・取得した個人情報は、採用選考にのみ使用します。
・選考プロセスは変更になる可能性があります。
・不採用理由についての問い合わせにはお答えできませんのでご了承ください。
現在募集はしておりません。
現在募集はしておりません。